足の専門医が解説!足元から改善できる足のトラブル


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笹原 潤ささはら じゅん
さまざまなスポーツ傷害(特に足部・足関節)に対して、超音波エコーを駆使した診療を行っている。 市民ランナーの診療実績も豊富で、帝京大学のラグビー部や駅伝競走部をはじめ、多くのチームドクターも務めている。
帝京大学 医療技術学部/スポーツ医科学センター/
整形外科、
整形外科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本靴医学会評議員、日本整形外科スポーツ医学会代議員
笹原ドクターが解説
足アーチ・足部アライメントとインソールの重要性と症例にあったインソール選びのポイントを解説します。
足アーチと足部アライメント
ポイント足アーチがつぶれると、足部アライメントもくずれ、
いろいろな痛みをきたしやすくなります。
【足アーチ】
足アーチというのは、靭帯や筋・腱によって構成されたアーチ型をした足の骨組みのことで、2つの縦アーチと横アーチの3つのアーチがあります。足アーチは、歩行の接地時においてクッション的な役割を果たしているとともに、ウィンドラス現象を担っています。ウィンドラス現象とは、歩行時に地面をける際(趾離床期)に、つま先が上にそることによってアーチが高くなる現象で、これにより効率的な歩行が可能となります。アーチがつぶれてしまうとこれらの役割を果たせなくなってしまうため、足部やアキレス腱、さらには膝周囲にまで痛みを引き起こすことがあります。
【足アーチ】
【ウィンドラス現象】
【足部アライメント】
土踏まずをつくっている内側の縦アーチがつぶれると、土踏まずがなくなって扁平足と言われる状態になります。この状態を後方から見ると、左の図のように下腿と踵のなす角度(Leg Heel Angle, LHA)が大きくなっています。このように足部のアライメント(配列)がくずれると、足部やアキレス腱、膝周囲にまで痛みを引き起こすことがあります。
【足部アライメント】(LHA)
インソールの重要性
ポイント インソールに求められるのは、
アーチサポートと、かかとを安定化させること。
【アーチサポート効果】
疲労や加齢などによってアーチがつぶれてくると、先述の通りさまざまな痛みをきたすリスクになりますので、アーチがつぶれないようにサポート(アーチサポート)してあげることが大切です。そのために用いられる方法として、テーピングや機能ソックス、そしてインソールがあります。
誤解してはいけないのは、アーチをただ上げればいいというものではありません。もともとアーチが低い人に対して、インソールで無理やりアーチを高くしても痛みや不快感を伴うだけでかえって逆効果です。足の形態にあったインソールを用いることが大切です。
【アーチサポート効果】
【かかとの安定化】
かかとが不安定だと、足部やアキレス腱だけでなく、膝や股関節にも影響を与えて痛みを引き起こすことがあります。インソールには、アーチサポート効果だけでなく、かかとを安定化させるはたらきもあります。足元をしっかり安定化させることは、足のためなのはもちろん、膝や股関節などのケガを防ぐためにも重要なのです。
【かかとの安定化】
具体的な症例と改善方法
足部症例
足底腱膜炎
外反母趾
有痛性外脛骨障害
アキレス腱痛
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踵やアキレス腱周りへの負担を軽減1. 選べるアーチタイプで 最適なサポート
2. ウィンドラス現象に基づく、理想のアライメント
3. 高い安定性としなやかなサポートを両立
4. 着地時の衝撃を吸収